嗚呼、いとしの焼き芋ちゃん
2022.11.12
晩秋になると掃いても掃いても枯れた葉が玄関の隙間から入ってくる。
子供の頃、枯れ葉や杉の葉を集めて兄と焼き芋をよく焼いた。
アルミに巻いてみたり、そのまま炎の中に放り込んでみたり、石を敷き詰めてその上で焼いてみたり、試行錯誤しながら納得するまで焼いた。
あの所々が焦げすぎてちょっと酸っぱくて焦げ臭い焼き芋が懐かしい。今の子供達はそんな味の焼き芋は知らないんだろうと思うと、少し可哀想な気もするが、逆にオーブンのボタンひとつで作っている人たちからすれば、焦げ臭い焼き芋を食べていた私の方がよっぽどお粗末かもしれない。
今の時代、庭先で呑気に焼き芋でも焼いているものなら119番に通報されるだろうし、もし、うちの子が焚き火をしていたら慌てふためくに違いない。
そう考えるとあの当時の大人たちはなんて寛大だったんだろう。
嗚呼、あの焼き芋をもう一度食べたい…。